企画上映
内田吐夢と山下耕作
日本映画量産期の洗練について
1月7日(水)~1月12日(月祝)、1月15日(木)~1/18(日)、1月21日(水)
映画が娯楽の頂点となり、そこから徐々に変容していく時代の、ふたりの映画監督による作品を上映します。
◎すべて福岡市総合図書館収蔵作品/特に表記のないもの35ミリフィルム上映
観覧料:
大人=500円/大学生・高校生=400円/中学生・小学生=300円/福岡市在住の65歳以上の方・わたすクラブ会員=250円(要証明書・会員証原本提示)/障がい者の方および介護者の方1名=無料(要証明書提示)
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1/7水14:00 1/12月祝11:00
土
Earth
1939/日本(日活多摩川)/白黒/94分/16ミリフィルム上映
監督:内田吐夢
出演:小杉勇、風見章子
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勘次一家は4人家族で妻は亡くなっていた。ある時舅の卯平は不注意から火事を出してしまう。長塚節の原作小説は農民文学の代表作。土にしがみつく農民の救いのない生活が丹念に描かれる。撮影は3年の長期に及び、地味な文学映画にも関わらず大ヒット、内田吐夢監督の戦前の代表作である。※冒頭とラストが欠落しています。欠落個所のシナリオ抜粋を付けて上映します。ご了承ください。
1/8木11:00 1/18日11:00
血槍富士
Bloody Spear at Mount Fuji
1955/日本(東映京都)/白黒/94分
監督:内田吐夢
出演:片岡千恵蔵、月形龍之介 |
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中国抑留から帰還した内田吐夢の戦後第一作。日頃はきわめて人がよくて温厚だが、酒癖が悪く禁酒中の若侍・小十郎は、槍持ちの権八とお供の源太を帯同して東海道を江戸に向かっていた。宿場町の宿で起こる人間模様と主人に対する忠義を全うする槍侍の姿を絡ませた人情味あふれる時代劇。戦前の月方龍之介主演「道中悲記」のリメイク。
1/8木14:00 1/17土11:00
妖刀物語 花の吉原百人斬り
Hero of the Red-Light District (Killing in Yoshiwara)
1960/日本(東映京都)/カラー/108分
監督:内田吐夢
出演:片岡千恵蔵、水谷良重 |
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江戸時代。寺の門前に捨てられた赤ん坊は裕福な商人の夫婦に拾われ、次郎左衛門と名付けられる。次郎左衛門は熱心に働き店を継ぐが、生まれつき顔に醜い痣があり、結婚することができなかった。ある日友人に誘われ吉原に行った次郎左衛門は、遊女の玉鶴と出会い夢中になる。歌舞伎の原作を脚本化した作品。内田吐夢監督の演出の特色がよく出ており、再評価の機運が高まっている。
1/9金14:00 1/18日14:00
飢餓海峡
A Fugitive from the Past
1964/日本(東映東京)/白黒/182分
監督:内田吐夢
出演:三國連太郎、伴淳三郎、左幸子 |
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昭和22年。函館で三人組の男が質屋を襲い放火をする。主犯の犬飼多吉は、仲間の二人も殺害し本州に姿を消す。函館署の刑事・弓坂は犬飼の行方を追うが不明だった。そして10年の歳月が流れるが、弓坂の執念の捜査は続いていた。原作は水上勉の小説。弓坂刑事を演じる伴淳三郎の演技は特筆もの。芸術選奨文部大臣賞など数々の賞に輝いた日本映画史に残る傑作の一本。
1/10土11:00 1/15木14:00
花と龍
The Flower and the Dragon
1965/日本(東映京都)/カラー/97分
監督:山下耕作
出演:中村錦之助、佐久間良子 |
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明治末期の北九州・門司。玉井金五郎は一旗揚げようと四国から北九州にやって来る。石炭を船に積み込む沖仲士になった金五郎は出世し、やがて玉井組が誕生する。火野葦平の小説「花と竜」の映画化。玉井金五郎は実在の人物で火野葦平の父親。若き玉井金五郎の熱血溢れる青春映画で、中村錦之助が明るいタッチで金五郎を演じる。
1/10土14:00 1/16金14:00
花と龍 洞海湾の決斗
Flower and Dragon: Duel of the Sea Caves
1966/日本(東映京都)/カラー/92分
監督:山下耕作
出演:中村錦之助、佐久間良子 |
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玉井組を起こした金五郎は、喧嘩のとばっちりから江崎組に決闘状を叩きつけられる。仲裁に出たのは沖仲仕を一手に牛耳ろうという野望を持つ友田だが、金五郎はこれをチャンスと組合の結成を呼びかける。それを快く思わない友田は、金五郎暗殺を指示するのだった。「花と龍」の続編であり、当時、任侠映画が大ヒットしており、「花と龍」より任侠映画の味付けが濃くなっている。
1/9金11:00 1/17土14:00
人生劇場 飛車角と吉良常
Hishakaku and Kiratsune:
A Tale of Two Yakuza
1968/日本(東映東京)/カラー/109分
監督:内田吐夢
出演:鶴田浩二、若山富三郎、藤純子 |
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上海から戻った吉良常は東京にやってくる。侠客の飛車角は義理のある小金井一家の助っ人となり、対立する大横田の身内を殺害する。飛車角は吉良常にかくまわれるが、結局自首する。4年後飛車角の女だったおとよは、小金井一家の宮川と恋仲になっていた。尾崎士郎の「人生劇場」の第3部「残侠編」を映画化した作品。スター勢揃いの豪華キャスティングで、任侠道を格調高く描いた。
1/11日14:00 1/16金11:00
日本女侠伝 侠客芸者
Chivalrous Geisha
1969/日本(東映京都)/カラー/99分
監督:山下耕作
出演:高倉健、藤純子
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明治の末期、石炭ブームに沸く博多。博多一の人気芸者・信次は、鉱業会社社長・大須賀にはなびかず、花田炭坑の甲山たちの座敷にでる。大須賀は土地のヤクザと結託して炭坑を買い占めようとしていた。花田炭坑の清吉は大須賀の企みに信次と共に対抗する。「緋牡丹博徒」シリーズと並ぶ藤純子の人気シリーズ第一作。藤純子が、男にも負けない馬賊芸者を演じる。
1/11日11:00 1/21水11:00
真剣勝負
Swords of Death
1971/日本(東宝)/カラー/76分
監督:内田吐夢
出演:中村錦之助、沖山秀子
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宮本武蔵(中村錦之助)は、枯れ野の一軒家、宍戸梅軒の家に一夜の宿をとる。夜酒を飲み談じる内に梅軒は、武蔵こそが女房お槙の兄を殺した仇であることを悟る。梅軒は手下の8人衆を集めて武蔵を襲わせるが、武蔵は彼らを次々と倒し、鎖鎌の達人・梅軒と対決する。「宮本武蔵」五部作の番外編であり、内田吐夢監督の遺作となった一級の娯楽時代劇。
1/12月祝14:00 1/15木11:00
山口組外伝 九州進攻作戦
The Tattooed Hitman
1974/日本(東映京都)/カラー/106分
監督:山下耕作
出演:菅原文太、渡瀬恒彦 |
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昭和32年、ヤクザの夜桜銀次は敵対する組幹部を殺害し大阪に身を隠す。やがて銀次は山口組の九州制覇の野望の中で、博多の兵藤組のもとに身を寄せることに。昭和36年、博多には一発即発の空気が流れていた。最後の侠客、最も有名な鉄砲玉といわれ破乱万丈の生涯を送った実在の人物、夜桜銀次を、「仁義なき戦い」シリーズの菅原文太が演じ、その生涯を描いた。
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