|
1958年生まれ。母方の祖母は日本人。イギリスで心理学を学び、その後CMの世界で働く。03年に「ラブン」で監督デビュー。第二作「細い目」で東京国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞し、一躍注目される。この後オーキッドを主役とした「グブラ」「ムクシン」と監督し、「ラブン」「細い目」「グブラ」「ムクシン」は「オーキッド四部作」となる。監督の自伝的な要素を多分に含みながら、家族や自らの住む世界が優しいタッチで描かれ、世界中に多くのファンを獲得、マレーシア・ニューウェーブを代表する監督となる。ちなみにオーキッドとは監督の妹の名前である。その後「ムアラフ 改心」、「タレンタイム」と発表するが、09年脳内出血により緊急入院し、51歳の若さで亡くなる。次回作には日本人の祖母をモデルにした「ワスレナグサ」の撮影が準備されていた。
彼女の映画にはマレー語以外に広東語などの中国語やインドの言葉も登場し、様々な宗教や人種に属する人々が登場する。そして彼女は様々な人々が混在する世界をそのまま肯定し、言語や人種の壁を軽やかに越えるヤスミン・ワールドともいうべき世界を描いている。彼女の映画はアジアそのものなのだ。次世代のアジア映画の代表とも言えるヤスミン監督の急死は、アジア映界画の大きな損失であることが今回の特集で理解できるだろう。 |