通常上映

バングラデシュ映画の世界

モルシェドゥル・イスラム監督作品を中心に
総合図書館収蔵のバングラデシュ映画の特集

会期:6月8日(木)~6月18日(日) ※休館日・休映日除く
観覧料:500円(大人)400円(大学生・高校生)300円(中学生・小学生)

※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。(チケットの販売は上映の1時間前からです。)
※障がい者の方は無料。福岡市在住の65歳以上の方は250円。(手帳や保険証などの原本の提示が必要です。)
※「わたすクラブ」会員の方は250円。(会員証の原本の提示が必要です。)


モルシェドゥル・イスラム監督
1958年ダッカ生まれ。ダッカ大学で薬学の学士・修士を修める。バングラデシュ・フィルムセンターが主催する映画鑑賞コース、およびその上級コースに参加後、新たな映画運動を牽引する存在となる。85年にバングラデシュの解放闘争を扱った最初の短編『これから』を監督し、インド映画祭で銀の孔雀賞を受賞する。また93年には長編の『車輪』がマンハイム国際映画祭で国際批評家賞および審査員賞を受賞、一躍注目を浴びた。
バングラデシュでは年間65本から70本程度の映画が製作されているが、そのほとんどは娯楽作品であり、真摯な作品は年間1~2本程度しかないと言われていた。そういう国で、商業映画とは一線を画して、質の高い作品を作り続けているのがモルシェドゥル・イスラム監督である。彼は映画協会を組織して、クロサワ、フェリーニ、ゴダールなど世界の傑作を上映することから始め、のちに映画作りに進んだ。最も影響を受けたのはクロサワの『羅生門』とサタジット・レイの『大地のうた』であると言う。



 



車輪 The Wheel
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:アミルール・ホク・チョードリ アシュ・コンドカール




6月8日(木)11:00
6月16日(金)11:00

1993年 35ミリ カラー 65分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

牛車に乗って稲の収穫の手伝いに来た2人の男が、診療所で呼び止められる。よその村から来た若者が死んだので出身の村まで運んでほしいと頼まれる。ところが村では死んだ男は村の者ではないと言われ、2人は死体を乗せて延々と旅することになる。不条理劇のような作品で、各国映画祭で大評判となり、一躍イスラム監督は有名になる。

転校生ディプー Dipu Number Two
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:オルン・シャハ ブルブル・アハメド




6月8日(木)14:00
6月17日(土)14:00

1996年 35ミリ カラー 155分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

ある街にディプーという12才の少年が転校してくる。ディプーはクラスのガキ大将タリクにいじめられるが、負けず嫌いで頭の良い彼は、クラスのみんなを説得して逆にタリクを仲間はずれにしてしまう。そして二人はお互いを認め合うようになる。バングラデシュでベストセラーとなった青少年向け小説の映画化作品。

苦難の大地 Dukhai
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:ライスル・イスラム・アサド アミルール・ホク・チョードリ




6月9日(金)14:00
6月18日(日)14:00


1997年 35ミリ カラー 128分 バングラデシュ=日本 日本語・英語字幕付き

ドゥカイは4人家族だったが、1970年サイクロンによる洪水で家を失い、また彼以外の家族全員が死んでしまう。やがて彼は結婚し女の子も生まれる。子どもが成長しもうすぐ結婚という時、再びサイクロンに襲われ、またドゥカイだけが生き残るのだった。バングラデシュのサイクロン被害の悲惨さを描いた作品で、日本との合作という珍しい作品。

根のない樹 A Tree without Roots
監督:タンビール・モカンメル 出演:ライスル・イスラム・アサド ムニラ・ユスフ・メミ




6月9日(金)11:00
6月17日(土)11:00

2001年 35ミリ カラー 113分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

田舎の村にモジドという男がやってくる。森の中に朽ち果てた墓を発見したモジドは、聖人の墓だと言いお祈りを始める。半信半疑だった村人も次第に供物を供えるようになる。原作の小説はバングラデシュの小学校の教科書にも載っている有名なもの。宗教の欺瞞性がコメディのように描かれており、世界各国の映画祭で注目された傑作。

ラロン Lalon 
監督:タンビール・モカンメル 出演:ライスル・イスラム・アサド ヤミン・タマンナ・ティティ




6月10日(土)14:00
6月14日(水)14:00

2004年 35ミリ カラー 132分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

ラロンは各地を旅しながら歌を作っていた。ある日疫病にかかりイスラム教徒の村で助けられる。その村で土地を与えられたラロンはバウルの思想と歌を極めていく。ラロン・フォキルは19世紀の実在の人物で、世界的に著名な歌手・哲学者であり本作は彼の生涯を描いた作品。バウルとはベンガル地方に伝わる哲学で、教えを歌で伝えるという特徴がある。本作は映画のほとんどがバウルの歌で占められている。

ぼくはひとりぼっち The Alienation
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:ファハド オモル




6月10日(土)11:00
6月15日(木)11:00

2004年 35ミリ カラー 91分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

プトゥルはダッカに住む裕福な家庭の少年。しかし両親は忙しくいつも孤独だった。ある日家を抜け出したプトゥルはオントゥというストリートチルドレンに出会う。彼らの自由な生活にあこがれるプトゥルは行動を共にするのだった。子ども向けとして作られた作品だが、登場人物たちの交流の中にバングラデシュの貧富の差などの社会問題が描かれる。

人形の家 Dollhouse
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:リアズ ショハナ・シャバ




6月11日(日)14:00
6月15日(木)14:00

2006年 35ミリ カラー 123分 バングラデシュ 日本語・英語字幕付き

1971年のバングラデシュ。ヤクブは田舎の大学で講師をしていたが、ある日首都ダッカの友人から従姉妹のレハナを預かってほしいと頼まれる。レハナはしばしば精神的に不安定になり、ヤクブはやむなく村はずれの廃墟で彼女と一緒に暮らすのだった。本作はパキスタンからの独立戦争を背景としている。レハナは戦争の被害を背負った存在で、恋愛ドラマに見える作品の背景にあるテーマを浮き彫りにする。

わが友ラシェド My friend Rashed 
監督:モルシェドゥル・イスラム 出演:チョウドリ・ザワタ・アフナン ラヤン・イブテシャム・チョウドリ




6月11日(日)11:00
6月16日(金)14:00

2011年 35ミリ カラー 100分 バングラデシュ  日本語・英語字幕付き

1970年、村の学校に変わった少年が転校してくる。彼はラシェドと呼ばれ政治に詳しかった。当時独立運動が盛り上がっており、西パキスタンは軍隊を派遣し鎮圧しようとする。ラシェドと親友になったイブは解放軍の手助けをする。バングラデシュが独立する71年直前の様子を子どもたちの視点から描いた作品。物語はイブの回想として描かれ、美しい祖国とともに彼の心にラシェドが生きていることが描かれる。


土曜の午後に  Saturday Afternoon
監督:モストファ・サルワル・ファルキ 出演:シャヒド・ハサン ポロムブドロ・チャテルジー




6月14日(水)11:00
6月18日(日)11:00

2019年 デジタル カラー 86分 バングラデシュ=ドイツ 日本語・英語字幕付き

バングラデシュの首都ダッカ。あるレストランがイスラム教過激派に占拠される。観光客などを人質にとった過激派たちは、イスラム教徒でない者を殺害していく。2016年7月に実際に起きたテロ事件を題材とした映画。実際の事件では日本人7人を含む22人が殺害された。ショッキングな内容を緊迫感あふれるワンカット映像で描いた作品。アジアフォーカス・福岡国際映画祭で観客賞第2位を受賞。


上映スケジュール

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